お酒を覚えて約20年。
2020年11月以来、断酒継続6ヶ月となりました。
アルコール依存になった経緯を振り返ってみます。
アルコール依存症になるまでの経緯
お酒を覚えた大学生時代~新社会人(20代前半)
学生時代はお酒が美味しいと思ったこともなく、ただの大学生のノリや酔っ払って騒ぐことが楽しくて、お酒を飲んでいました。
コールでの一気飲みなども多い環境だったため、「お酒が飲める・酒が強い」=「かっこいい」という、今思えば謎の価値観が生まれた頃です。
でもまだまだかわいいもので、月に数回飲み会をするくらいで、普段はむしろお酒は不味い、なんなら嫌い、というレベルでした。
社会人になり、会社関係で飲む機会が増え、正直その度に上司らと飲むのは苦痛でした。お酒も美味しいと思って飲んでいるわけではありませんでしたね。
ですが割と体育会系な環境だったため、上司のコップが無くなりそうなタイミングで自分も飲み干し、次のお酒を頼む、というような生活が数年続きました。
ここでも「いい飲みっぷりだ」「付き合いのいいヤツだ」と言われることを、嬉しく思っていました。
慣れとは怖いもので、最初は苦痛だったそんな環境にも次第に慣れ、「お酒も強くなった」と思っていました。
それでも、まだ自宅で酒を飲むということはほとんどせず、逆にいつも会社の付き合いで飲むことが多かったので、飲まなくてもいい日がむしろ有り難かったりもしました。
夜の遊びを覚えた20代半ば~20代後半
飲酒に拍車がかかってきたのが、20代半ば頃~。
若気の至りですが、クラブのVIP席を陣取ってナンパをしたり、大してお金を持っているわけでもないのに散財を尽くしながら、週末は朝まで飲み明かして遊んでいました。
その後、さらにキャバクラなど夜の遊びも覚えてしまい、「夜から飲む→深夜からキャバクラ→朝キャバ」のような遊び方をしていました。
気持ちが悪くなって吐いてしまう、というようなことは少ないタイプなのですが、毎回のように「次の日起きたら途中からの記憶がない」状態になっていました。
携帯電話、財布などの失くしものも増えました。
地獄の30代~
年齢を重ねるとともに、自宅での晩酌も日課になっていきました。
最初のうち(20代半ば~後半)は、1日につき缶ビールや缶チューハイを3本程度だったりと、まあ許容範囲でした。
30代に入る頃には、自宅に缶ビールや缶チューハイをケース買いし、常にストックがある状態で、ハイボール用のウイスキーも4リットルのものを仕入れて炭酸と割って作る、という毎日になりました。
この頃から缶チューハイはアルコール度数の高いストロング系のみ。
同じ値段で倍酔える。
缶チューハイの本数も3本どころではなくなっていきました。
そしてウイスキー4リットルなんて、10日~2週間くらいで尽きてしまい、尽きる前にストックで新しいボトルを購入する、といったペースになりました。
ボトルで買うと、缶のように本数では数えられないし、あればあるほど飲んでしまい、気づけば、もう既に、「飲まなきゃ気がすまない」状態になっていきました。
飲み会にも頻繁に参加していましたが、徐々に「自宅でお酒を引っ掛けてから飲みに出かける」ことが多くなりました。
もう外で飲みに行っても酔えない。
一緒に飲んだ人には「めっちゃお酒強いね」「全然酔わないね」というように言われるようになっていました。
実際みんなが飲む量では全く足りず、飲み放題の店でもどんどんアルコールドリンクを追加し、飲みまくっていました。
そしてまた夜の街で飲み明かすか、早めに解散し自宅に帰っても、また家で寝落ちするまで飲む、といった流れです。
アルコール依存症 離脱症状がはじまる
そんな生活が数年続き、身体に起こってきた変化としては、
- 手が震える
- 滝のように汗をかく
- 吐き気がする
- 動悸がする
- 不眠
というアルコール依存症の症状が強くなってきました。
アルコール依存症の離脱症状です。
これらが非常にやっかいです。
アルコール依存症の離脱症状 身体の震え
飲み会に参加したときや身近な人に、「手、震えてない?」と言われたことが増えるようになりました。
(といっても、数人にですが)
手の震えは、自分でも自覚がありましたが、「ああ、もともとこうなんだ。」とか言って誤魔化していました。
(誤魔化せてないw)
手の震えはやっかいで、仕事関連などの書類に記入するときや、契約書にサインする時も手が震えてしまうので、非常に困ったことがあります。
そして、人前で字を書かなくてはならない時に、思いっきり震えてしまうのが嫌で、仕事の前にも酒を飲むようになりました。
お酒を飲めば、離脱症状は収まり手の震えも一時的になくなっていました。
年賀状を手書きで書く時も、なかなかまともに書けずに苦労したので、その時もお酒を飲みながら、という状態。
手が震えている=アル中だ、と思われるのが嫌で、隠すために飲酒をするという抜けられない悪循環が始まってしまいました。
アルコール依存症の離脱症状 大量の発汗
額からの汗がものすごかったので、「汗すごいね」などと言われることも増え、「いや~、暑がりなんで」と誤魔化していました。
寝ていても大量に汗をかいてしまい、枕や布団が汗でびしょびしょになってしまうレベルです。
眠りづらい、汗が酷くて頻繁に起きてしまうなど、不眠に大きく繋がりました。
アルコール依存症の離脱症状 吐き気
個人的に結構辛かったのは、「吐き気」でした。
アルコールが切れてきたころには、「おえ”~~~!!」っとなり始め、いわゆるおっさんがえずいているような感じですが、実際に吐いたりはしません。
ただただ頻繁にえずくのです。
周りの人からも、「苦しそうだけど大丈夫?」と言われたりもしました。
食べ物の匂いを嗅いだり、お酒のことを考える、お酒がいつも置いてある場所(冷蔵庫付近)に近づくと、反射的にえづいてしまいます。
えずきが非常に苦しくて、早く逃れるために、やはりお酒を飲むようになります。
もう日常生活を通常に過ごすためには、アルコールを摂取しないと苦しい状態です。
アルコール依存症の離脱症状 激しい動悸と不眠
もともと眠りが浅いことや少しでも明かりが点いていると気になって眠りづらいタイプの人間です。
自宅で飲酒をするようになった要因の一つとしては「眠るため」ということが挙げられます。
眠る時にもよく考えごとをしてしまい、気になって眠れないことが多かったので、お酒を飲んで気絶するように眠る、という行為が当たり前になっていました。
そんな中、禁酒・断酒にチャレンジしたこともありました。
しかし、身体の震え、大量の発汗、吐き気(えずき)に加え、激しい動悸で呼吸も苦しく、まったく寝付けなくなってしまいました。
※動悸もやっかいだったので、当時Apple watchで心拍数を計ってみたら、通常時でも「BPM120以上」というかなり高い数値でした。
そしてやはり辛くてお酒を飲んでしまう連鎖に戻ってしまいます。
お酒を飲まないと眠れない→眠るためにお酒を飲むという毎日です。
悪化するアルコール依存症とコロナ自粛生活
上述の通り、自力で断酒を試みたこともありましたが、離脱症状がきつく、なかなか続きませんでした。
離脱症状それぞれ全部が複合して苦しく、最終的に眠れず、仕事や私生活にも影響が大きくなるので、お酒を飲んで誤魔化すという繰り返しです。
日中には離脱症状が出てしまうので、仕事の前の飲酒や、前日残ったお酒を次の日起きたら飲む、という行為も頻繁になってしまいました。
さらにコロナの自粛生活も飲酒を加速&自分の中で正当化してしまい、「家で自粛しているんだからいいじゃん」と当たり前のように、日中や朝から一日中の飲酒を繰り返し、さらに拍車をかけました。
自粛生活で公私ともにかなりストレスを抱えてしまったこともあります。
ある日、酔っ払って外に出て転倒してしまい、顔面にボクサーの試合後のような怪我を負ったりと、公私ともに明らかな支障が顕著になってきました。
ついに断酒を開始。これから脱・アルコール依存を目指す方へ
さすがに見かねた家族から、断酒を強く勧められ、病院に行くことになりました。
「お酒は最大のストレス発散だ」
「お酒をやめたらストレスで死んでしまう」
「唯一の楽しみが無くなってしまうなら死んだほうがマシ」
くらいに思っていたので、お酒が無い今後の人生は、絶望しか感じませんでした。
ただ、心のどこかでは、この苦しい離脱症状から解放されたい気持ちもありました。
それから半年。結論、断酒を始めて本当に良かったと思います。
そして、自力で禁酒・断酒をするのではなく、病院に通った方が絶対に良いです。
離脱症状が苦しくてどうしても続かないケースも多いと、身を持って思いますが、その苦しい離脱症状を抑えたり、苦しい不眠を解消するための治療薬も処方してもらえると思います。
これがめちゃめちゃ助かりました。
かかりつけの先生に最初の頃に言われたのが、「アルコールは脳を溶かす。肝臓は再生するが、脳は再生しない。」という言葉でした。
アルコール依存症は、れっきとした脳の病気です。
病気は病院に行き、薬をもらって治しましょう。
僕は今では、ずっとだるかった頭も身体もスッキリし、快適な状態に戻りました。
仕事などももちろん捗るようになり、人生に対するモチベーションも向上しました。
僕も一応まだ治療中の身ですが、もう前の生活に戻りたくは無いし今後も続けていきます。
この体験談がこれからアルコール依存症克服を目指す方の参考になればと思います。